怪獣を捕まえろ!

ネッシーは実在するのか。

そういう興味は誰にだってある。

調べられるものなら、調べたいなと思いながら(あるいはすぐに忘れてしまって?)日々の生活を送る人が大半だろう。

この話は、そんな誰しもが抱く興味を興味で終わらせずに調査した、真のジャーナリストの冒険譚である。

目次

本の紹介

高野秀行 講談社文庫

作者・概要

高野 秀行(たかの ひでゆき)日本のノンフィクション作家

ポリシーは「誰もいかないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」

学生時代は早稲田大学探検部に所属。

探検部時代の調査行をまとめた『幻の怪獣・ムベンベを追え』でデビュー

Wikipediaより引用

あらすじ

未知の出来事が大好きな作者が、トルコの怪獣ジャナワールを追う。

相棒?のカメラマン森氏と世界各国のUMA(未確認不思議動物)や未承認国家、未知の植物を追う作者のノンフィクション作品群の1つである。

物語は2006年の夏、一本の電話から始まった。

トルコの湖に生息するという未知の水棲生物ジャナワールの情報を聞きつけたのである。

日本国内での綿密な事前調査の末、彼らはついにトルコに足を踏み入れた。

限られた滞在時間の中で、ジャナワールを発見することは出来るのか?

冒険の一部始終は一読の価値ありである。

感想

無茶をすることと、冒険することは違うんだと思う。

「気になるから行ってみた」と言いながらも、関連機関への裏打ちや事前の情報収集などは、専門機関の科学的な調査に匹敵するのではないか。

足りないのは予算と期間だけ?

そんな困難も、アイデアと根性で切り抜ける。大怪獣の存在が疑われる湖に、エアーマットで乗り込むかね?普通。

好奇心を持ち続けることと、持ったうえでの昇華の仕方を教えてくれる。

笑って学べる作品である。

効率的な生き方が注目される時代でも、一生懸命頑張るというのは見ていて勇気がもらえる。

トルコの怪獣ジャナワールの調査と言われると、なんだかお馬鹿さんな感じがするが、その手法は科学的である。

「頑張ったけど分からなかった」で終わらない真剣さがこの本の面白さを加速させている。

成功も失敗も、日常も面白く切り取っていく。

怪獣探しとまではいかなくても、自分の生活で頑張っていることをそう受け止められたら、または言い換えられたら、この本のようにかっこいい生き方をしているように見えるのだろうか。

まとめ

未知をこよなく愛する作者の、未知との冒険物語。

トルコの怪獣ジャナワールに限らず、気になったことを真剣に調べてみたい人は、この本で一通りの手法を学べるだろう。

そうじゃない人も、大満足の読書時間になると思う。

真剣にすればするほど、物事は面白くなる。と思う。


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