黒いやつについて学ぶ本

カラスはお嫌いですか?


カラスは本当はいいやつである。とまでは言わないが、嫌なやつではない。

少なくとも、知っていくと愉快なやつではあると感じられる。


そして何よりのメリットは、彼らがどこにでもいるということ。街中でも、田舎でも。

観察する機会が多いんだから、嫌いなままでいるよりも、楽しんだほうがいいんじゃないかな。

この本の中で驚いたことが一つ。カラスという鳥はいないらしい。

本の紹介

カラスの教科書 松原始

雷鳥社

作者について

1969(昭和44)年、奈良県生れ。東京大学総合研究博物館・特任准教授。京都大学理学部卒。同大学院理学研究科博士課程修了。専門は動物行動学。研究テーマはカラスの生態、行動と進化。

新潮社 著者プロフィールより引用

あらすじ

「カラスの教科書」と言うくらい、カラスのことを学べる本であり、「強化書」とも言えるくらいカラス愛を強化させる本でもある。

また著者自体のカラス愛が溢れる「狂歌書」でもある。

カラス好きによる、カラス好きとこれからカラスを好きになる人のための教科書。

目次
序 明日のために今日も食う
  この本に登場するカラスたち

第一章 カラスの基礎知識
第二章 カラスと餌と博物学
第三章 カラスの取り扱い説明書 初級カラス語会話を含む
第四章 カラスのQ&A

感想

苦手なものこそ、より知る必要があるんだと思う。

愛の反対は憎しみではなく無関心だと、マザーテレサか誰かが言ったそうな。

嫌いも好きも、関心があるという点では変わらない。避けるのではなく、少し目を向けると、世界の見え方が変わってくる。

身近なカラスで、そんなことを感じられた一冊。

それというのも、カラスはちょっと、可愛いやつなのだ。


黒い、夕方、ゴミ捨て場あさりなど、なにかと悪いイメージがあった。

けれど、カラスの見分け方や観察ポイントを知り、その通りに観察してみるとどうだろう。
つぶらな瞳にツヤツヤした翼、カァカァーにも愛嬌がある。気がする。


「あいつは柵から降りてこないぞ。ということは、、、」なんて見方は、この本を手に取る前は持ったこともなかった。

好きなものには自然と湧き上がる気持ち、「もっと知りたい」「なんでだろう」。

自然と湧き上がらない対象に対して興味を持つためには、興味の細分化を行うとよいのかも知れない。

色、形、鳴き声、種類、生活、嗜好。

苦手なもののすべてが苦手なんてことは無いはず。その場合は、無関心にカテゴライズされるだろう。

対象の細分化が出来れば、ものごとを知るのはもっと楽しくなるはずである。

まとめ

カラスという身近な生き物。


見る機会はいっぱいある。つまり、この本を読んだ知識を活かす場面が多いということだ。


「本を読んで終わりかい?しっかりと活かさないと。」

なんて言う人もいることでしょう。


だったらこの本は、(ほぼ)毎日活かせる知識満載。


そんな固いことを考えなくても、読んで楽しい一冊である。


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