恋人が出来ないのは、作ろうとしないからである。
恋人が出来ないと嘆く人ほど、あーでもないこーでもないと理想を宣う。
よくよく聞いてみると、意地や変化に対する不安なんかである。
要するに、捕らぬ狸の皮算用だ。
そんな人になりたくなかったら、この本を読んで勉強してみるといい。そんな人を笑いたかったらこの本を読むといい、きっと望みが叶うから。
なぜこんなことが言えるかと言うと、自分も恋人が出来ない人間だからだ。
目次
本の紹介
太陽の塔 森見登美彦
新潮文庫 初版平成18年6月1日
森見登美彦氏のデビュー作 日本ファンタジーノベル大賞受賞
作者について
森見登美彦
1979年1月6日 奈良県生駒市生まれ
京都大学農学部に進学し、自身も四畳半の住民となる(彼の作品に登場する主人公たちは、だいたい四畳半に住んでいる)
ライフル部に所属し、休学して留学。復学し、大学院へ進学する傍ら、本作「太陽の塔」を書きあげた。
本作は第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。
「四畳半王国神話体系」、「夜は短し歩けよ乙女」など独特な世界観と語り口を持つ小説を数多く生み出している。
Wikipediaより引用
あらすじ
華のない大学生活。
そんな中、3回生の時に初めて彼女ができた。
その瞬間、人生には彩が加えられ、毎日が絶好調であった。だがある日、あろうことか彼女は私を振ったのだ。
何故私のような人間が振られたのか?その謎を解明すべく、本人には極秘裏に彼女の研究を始めた。
振られちまった主人公と、同じく恋愛下手な友人たち、はたまた彼女の新恋人?まで現れる始末。果たして無事に研究を終えることが出来るのか。というより捕まったりしないのか?
恋人のいない者にとっては悪夢のようなクリスマスの京都を舞台に、モテない男たちが駆け回る。失恋の悲しみを知るすべてのすべての男たち、振ったことのある女性たち、この本を読んでみて。
感想
お付き合いするまでは出来ていた事が、付き合うと出来なくなってしまうのは何故だろう。
どちらも同じ人間だから、できないじゃない。きっと、しなくなるんだ。
女心はわからないけど、素直になることはできると思う。
彼女はきっと、かっこよくない面まで好きになってくれたんだ!と思い込んで、自信に繋げようじゃないか。
女性の気持ちの解釈は、これで合ってます?
物語を通して語られる彼の主観。
思い込み?妄想?いいや、言い訳か。
振られちまった悲しみに対するストレス、そこへの防衛機制(心理的ストレスに対する防衛手段)がすべて間違っている。
けどそこが人間臭いし、友人グループとの集まりは本当に臭そう。
強い人間というのは、完全無欠じゃなくて、弱いところを見せることができる人間なんだと思う。
だって、意中の人を振り向かせるためにする行動って、だいたいかっこ悪いじゃないか!
それでもその子は、あなたの気持ちを受け入れてくれたんだよ!だから男子諸君、かっこ悪くなれ!と思います。
500円くらいの文庫本で笑って、考えさせられる。この本のいいところは、書かれていない事にこそ、彼の本心があるのではないのかなということ。
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